
財政出動が金利を押し上げるメカニズム:英国2024政権交代と2025年日本・消費税政策を読み解く
投稿日: 2025年07月11日
はじめに:政権交代と市場の反応
2024年7月5日、イギリスで労働党が14年ぶりに政権を奪還し、キール・スターマー氏が首相に就任、レイチェル・リーブス氏が財務相に就きました。新政権はインフラ投資を軸にした拡張的財政を展開していますが、市場はこれに敏感に反応し、英長期金利や国債利回りが乱高下する場面も見られました 。
財政出動が金利上昇を招く流れ
- 政府支出の増加
- 国債発行が膨張 → 債券価格が下落
- 価格下落により利回り=金利が上昇
たとえば、2025年7月上旬には、リーブス財務相の政務姿勢を巡り“財政信認”への不安が広がり、10年物国債利回りが15.8bp上昇する場面もありました。
市場の信認がカギ
ただし、単なる財政出動にはとどまらず、以下のような要素が市場の信頼獲得に影響します:
- 明確な成長戦略とセット
- 財政ルールの順守姿勢(例:IMFの財政安定ルール案にも対応)
- 政治的安定が保たれているかどうか(ストーマー首相とリーブス財務相の連携も重要)
市場は政治と政策の「継続性」を重視しており、不安があると国債が売られ、金利上昇につながります。
日本の2025年参議院選挙と消費税政策
2025年7月20日実施予定の参議院選では、複数政党が「消費税5%への引き下げ」「食品税率の廃止」などを掲げています。
- 日本共産党:消費税率を5%に引き下げ後、廃止を目指す
- 社民党:食品に消費税をかけない政策を提案
- 公明党:食料品の税率を8%→5%、同時に現金給付も検討
これらの政策は家計支援としての即効性がありますが、税収の減少が財政赤字拡大を招く可能性があり、結果として国債発行が増え、長期金利を押し上げるリスクがあります。
両国に共通する重要ポイント
| 共通の論点 | 内容 |
|---|---|
| 📌 財政規律の信頼性 | 市場が政策を信じられるかどうかが金利の動きを左右 |
| 📌 政策の透明性と戦略性 | 単なる支出ではなく、成長に結びつくかが重要 |
| 📌 政治の安定性 | 例:英国では財務相継続発言で国債市場が安定 |
まとめ:政策は「短期的効果」と「市場の反応」の両立がカギ
- 短期的効果:消費刺激や景気下支えには有効
- 長期的影響:財源確保が不透明であれば、金利上昇→借入コスト増加→景気圧迫リスク
- 市場の信任維持:財政政策が成長戦略と一体であるか、透明性と持続性が重要




