
なぜスイスフランは弱含んでいるのか?SNBの金融政策と為替市場の実情
投稿日: 2026年01月22日
結論
近年スイスフラン(CHF)が相対的に弱含む局面がある最大の理由は、スイス国立銀行(SNB)の金融政策スタンスと為替介入姿勢にあります。 スイス経済が悪化しているわけではありません。
1. SNBが主要国に先行して金融緩和方向に動いた
SNBはインフレ率が低水準に落ち着いたことを受け、 主要国の中でも早い段階で利下げ・低金利維持の姿勢を示しました。
- 金利は通貨の魅力度に直結
- 高金利の米ドルなどに資金が移動しやすい
- 結果としてCHFは相対的に売られやすくなる
これはSNBの公式決定・声明として確認できる事実です。
2. SNBは「フラン高」を明確に警戒している
SNBは長年にわたり、 スイスフラン高が輸出や物価に与える悪影響を問題視してきました。
- 必要に応じて為替市場へ介入する姿勢を維持
- 実際に過去、フラン売り介入を繰り返してきた実績がある
市場では 「フランが過度に上昇すればSNBが抑えに来る」 という認識が定着しています。
3. 有事の安全通貨需要が限定的
スイスフランは伝統的な安全通貨ですが、
- リーマン・ショック級の金融危機
- 欧州債務危機の再燃
といった状況では現在ありません。
そのため、 安全資産としては高金利の米ドルや米国債が選好されやすい環境となっています。
4. スイス経済は「安定しているが成長力は高くない」
スイスは、
- インフレ率:低水準
- 財政:健全
- 経済:安定
という特徴があります。 一方で、高成長によって通貨が買われる局面ではありません。
よくある誤解
❌ スイス経済が不安定だからフランが弱い ⭕ SNBがフラン高を抑制している結果、相対的に弱含む局面がある
この理解が正確です。
まとめ
スイスフランが弱含む背景は、
- SNBの低金利・緩和的スタンス
- フラン高を容認しない政策姿勢
- 高金利通貨(特に米ドル)への資金移動
- 有事の安全通貨需要が限定的
という政策・市場要因の組み合わせによるものです。

