金融所得課税30%時代が来る?―NISAへの影響と相続のポイントをやさしく解説

金融所得課税30%時代が来る?―NISAへの影響と相続のポイントをやさしく解説

投稿日: 2025年04月18日

目次

  1. はじめに
  2. 金融所得課税とは
  3. 「30%案」が出てきた背景
  4. 30%課税になると何が変わる?
  5. 誰に影響が大きいのか
  6. 新NISA(2024年〜)のおさらい
  7. 30%課税案とNISAの関係
  8. NISA口座を持つ人が亡くなった場合
  9. まとめ

1. はじめに

株や投資信託で得た利益には、いま約20%(所得税+住民税)の税金がかかります。これを約30%に引き上げようという議論が続いています。背景や影響を、NISA制度と相続の観点から整理します。

2. 金融所得課税とは

  • 対象:株式の売却益・配当、投資信託の分配金、預貯金や債券の利子など。
  • 現行税率:一律20.315%の申告分離課税(給与とは別枠で課税)。

3. 「30%案」が出てきた背景

  • 1億円の壁:年収1億円を超えると、株式利益の比率が増え、実質的な税負担率が下がると指摘。
  • 富裕層への課税強化と財源確保を狙い、政府や一部野党が30%課税を提案。

4. 30%課税になると何が変わる?

項目 現行 30%案(構想)
税率 約20% 約30%
方法 申告分離のみ 30%分離課税+総合課税選択制の案も

利益が同じでも手取りが減少。中間層以下はNISA活用で負担を抑えられると想定。

5. 誰に影響が大きいのか

  • 株や投資信託で年間数百万円〜億円の利益を得る高額投資家・富裕層。
  • NISAの非課税枠(生涯1,800万円)を超えて投資を行う人。

6. 新NISA(2024年〜)のおさらい

区分 つみたて投資枠 成長投資枠 合計
年間上限 120万円 240万円 360万円
生涯上限 1,800万円(うち成長枠1,200万円まで)
非課税期間 無期限
売却枠再利用 可能(翌年以降に枠復活)

制度自体が恒久化され、つみたて枠と成長枠を同一年で併用できます。

7. 30%課税案とNISAの関係

  • NISA口座内の利益は非課税のまま。税率アップの影響を受けない。
  • 増税が実現すれば、NISAのメリットがさらに大きくなる。
  • 生涯1,800万円を超える投資分には30%課税が及ぶ可能性。

8. NISA口座を持つ人が亡くなった場合

  1. 相続人が金融機関へ死亡届出を提出。
  2. 死亡日までの含み益は非課税確定。
  3. 口座は閉鎖され、資産は課税口座に移管後に相続。
  4. 以後の配当・売却益は通常課税(20%→将来30%案なら30%)。
  5. 非課税投資枠そのものは相続不可。
  6. 評価額は遺産に含まれ、基礎控除を超えれば相続税が課税。

9. まとめ

  • 30%案は「1億円の壁」是正と財源確保が目的。
  • 実際の負担増は富裕層・高額投資家が中心。
  • 新NISAを活用すれば多くの大学生・若手社会人は影響を受けにくい。
  • 相続ではNISAの非課税枠は消えるため、生前に枠を使い切る戦略と、相続後の資産管理の両面を考えておこう。