2025年12月以降のトルコリラ/円見通し:トルコ中銀・経済統計から読み解く為替とスワップの行方

2025年12月以降のトルコリラ/円見通し:トルコ中銀・経済統計から読み解く為替とスワップの行方

投稿日: 2025年11月30日

トルコ中央銀行(CBRT)の金融政策動向

政策金利と最新決定

  • 2025年10月:政策金利を40.5% → 39.5%へ引き下げ(100bp)
  • 翌日物貸出金利:42.5%、借入金利:38.0%に変更
  • 利下げ幅は縮小傾向(7月:300bp → 9月:250bp → 10月:100bp)

金融政策スタンスと声明

  • インフレの基調上昇に対し、需要は引き締めで抑制されていると分析
  • ディスインフレ路線に整合的なスタンス維持を強調
  • 「乖離ある場合は再度引き締めもあり得る」と明言
  • 中期目標:インフレ率5%(現状は30%超)

金融政策の方向性

  • カラハン総裁体制で非正統的政策から脱却
  • エコノミスト予想:2025年末政策金利 37.5%程度
  • インフレ進展次第で、利下げ再加速または一時停止も想定

トルコ統計局(TurkStat)の主要経済指標

インフレ率(CPI)

  • 2025年10月:CPI前年比 +32.87%(9月:+33.39%)
  • 月次:+2.55%、2025年累計:+28.63%、12ヶ月平均:+37.15%
  • 住宅:+50.96%、食品:+34.87%、交通:+27.33%(前年比)

失業率・雇用

  • 2025年9月:失業率 8.6%(男女:男7.4%、女11.1%)
  • 若年失業率:14.9%(改善傾向)
  • 就業者数減少、就業率:全体48.9%(男性66.3%、女性31.8%)

経済成長率(GDP)

  • 2025Q2:+4.8%(前年比)
  • 2025Q3:▲0.2%(前期比)、2期連続マイナス(テクニカルリセッション)
  • 年間見通し:+3.5%、政府見通しは安定成長を維持

トルコ財務省の財政政策・2026年予算方針

財政収支

  • 2026年目標:中央政府財政赤字GDP比3.5%以下
  • 財政健全化とインフレ抑制を両立
  • 財務相:「2026年に基礎的財政黒字化を達成予定」

税・料金の見直し

  • 2026年の税・手数料改定は「再評価率25.49%」を下回る予定
  • インフレ目標(16%)に沿った上限設定を導入予定(事実上の減税)
  • 物価安抑制と国民負担軽減の両立狙い

トルコ国内主要メディア報道要約

  • 財務相:2026年は「成長・安定・ディスインフレの3本柱」
  • CBRTレポート:為替保護預金(KKM)は2025年末に50億リラ未満へ縮小見通し
  • トルコ国民の外貨建て預金からリラ預金への移行が進展
  • 地政学リスクには警戒継続(中東、国内政治)

TRY/JPY 為替動向と実効為替水準

為替推移

  • 現在:1TRY ≒ 3.7円(2024年末は約4.5円 → 約17%下落)
  • 52週高値:約4.50円、安値:約3.53円
  • 年後半はレンジ圏推移(3.5~3.8円)

為替の背景

  • トルコ高金利維持(40%台)→ リラ急落リスクは後退
  • 日本円の金利水準は依然低く、TRY/JPYでは金利差有利
  • インフレ進展次第で利下げが進めば、リラへの圧力もあり得る

見通し:短期・中期・長期

短期(~3ヶ月)

  • インフレ見合いで小幅な追加利下げ続く見通し(政策金利 ≒38%)
  • TRY/JPYは3.5~3.8円のレンジで推移が濃厚
  • 地政学・原油・冬季輸入の影響には警戒

中期(~6ヶ月)

  • インフレ20%台前半へ低下すれば、政策金利は20~25%台へ
  • 財政規律と構造改革進展により資本流入期待
  • TRY/JPYは3円台前半で安定・反発の可能性

長期(1年~)

  • インフレ目標:2026年末12%、2027年末8%
  • 政策金利も20%→10%台へ低下する可能性
  • TRY/JPYは2.5~3.5円レンジ安定を目指すが、政治転換や外的ショックには要注意

参考資料(一次情報ソース中心)

  • トルコ中央銀行(CBRT)
  • トルコ統計局(TurkStat)
  • トルコ財務省
  • Anadolu Agency / Daily Sabah / Hürriyet紙など sl