楽天・全世界株式〈除く米国〉インデックス・ファンド徹底解説 ― 米国偏重を避ける“もう1本”の全世界株

楽天・全世界株式〈除く米国〉インデックス・ファンド徹底解説 ― 米国偏重を避ける“もう1本”の全世界株

投稿日: 2025年04月22日

1. ファンドの基本情報

  • ベンチマーク:FTSE グローバル・オールキャップ(除く米国)インデックス(円換算)
  • 設定日:2022 年 12 月 22 日
  • 純資産残高:82.15 億円(2025 年 4 月21 日現在)
  • 信託報酬:年 0.132%(税込)。購入手数料・信託財産留保額ともにゼロ
  • 投資形態:ファミリーファンド方式でマザーファンドを通じ、主に海外ETF(VXUS 92.3%、VEA 5.6%ほか)に投資
  • 為替ヘッジ:なし(円貨建てで指数に連動)

2. ポートフォリオ構成(2024 年7 月末時点)

区分 上位10項目 比率(%) 出典
国・地域 日本 / 英国 / カナダ / 中国 / インド / フランス / スイス / 台湾 / 豪州 / ドイツ 26.4 / 16.1 / 9.9 / 7.2 / 6.7 / 6.6 / 6.2 / 5.7 / 5.5 / 4.9
業種 金融 / 資本財 / テクノロジー / 一般消費財 / ヘルスケア / 素材 / 生活必需品 / エネルギー / 通信 / 公益・不動産 20.6 / 15.9 / 13.1 / 12.5 / 9.2 / 6.5 / 6.4 / 5.6 / 3.9 / 6.4*

*公益・不動産の合算値。小数点以下を四捨五入しているため合計が100%になりません。

組入上位銘柄(比率 0.7〜2.2%)
TSMC/ノボノルディスク/ASML/サムスン電子/テンセント/ネスレ/アストラゼネカ/シェル/SAP/トヨタなど


3. 米国除外の意味と“トランプ関税”リスク

プラス面 マイナス面
● 米国株60%超という世界株指数の“米国偏重”を是正し、地域分散を強化できる。 ● 2010年代以降の米国ハイテク主導相場の恩恵を取りこぼす。
● 米国発のハイテク規制・金利急騰など米国固有リスクを回避。 ● 米中摩擦の矢面に立つ中国・アジア比率が高く、関税・供給網混乱の影響を受けやすい。
● 新興国の高成長を相対的に厚く取り込める。 ● 為替ヘッジなしのため、円高時は米ドルよりボラティリティの大きい通貨にさらされる。

2024 年10 月末時点で指数全体の**地域構成は欧州39%・新興国28%・太平洋26%・北米7%(カナダのみ)**となっており、米国抜きでも先進国7割/新興国3割のバランスで分散されているのが実情です。


4. 類似ファンドとのコスト・規模比較

ファンド 米国株 信託報酬 (税込) 純資産 主な指数
楽天・全世界株式〈除く米国〉 含まない 0.132% 82 億円 FTSE AC ex US
楽天・全世界株式(VT) 含む 0.132% 4,987 億円 FTSE AC
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) 含む 0.05775% 5兆 円超 MSCI ACWI
SBI・V・全世界株式 含む 0.0638% 450 億円 FTSE AC

低コストだけを追求するなら eMAXIS Slim シリーズが最有力だが、「米国を敢えて減らす」目的であれば楽天〈除く米国〉一本の方がシンプル。


5. 投資判断のポイント

  1. 米国株ファンドをすでに厚く保有している投資家
    → 本ファンドを足して「真の全世界分散(米国:非米国=5:5 など)」へ調整する用途に最適。

  2. これ1本で全世界を網羅したい初心者
    → 米国が欠けるため不向き。オルカンやVT型の方が無難。

  3. 中長期の積立投資

    • VXUS は銘柄数8,000超で1銘柄当たり2%未満。個別ショック耐性は高い。
    • 年間ボラティリティは先進国株+α程度。為替ヘッジなしのリスクを許容できるなら20年以上の長期保有向き。
  4. リスク要因

    • 新興国比率28〜30%のため、地政学リスクや規制変動で基準価額が振れやすい。
    • 米国ハイテクの長期成長を取り込めないため、相対リターンが米国含有型より低くなる可能性。

6. まとめ

  • 米国偏重を意識的にカットし、非米国株をまるごと取りに行くという明確な戦略を持つなら、本ファンドは有力な「サテライト」選択肢。
  • 低コスト競争では eMAXIS Slim オルカン等に劣るが、信託報酬 0.132%は依然低水準で、純資産も着実に拡大中。
  • 結論
    • 米国株+本ファンド = 手軽に実質「全世界」を構築できる2本セット。
    • 1本完結型 を求めるならオルカン系で良し。
    • 今後、米国相場が調整し非米圏が相対的に伸びるフェーズでは本ファンドがポートフォリオのリバランス役になり得る。