
FOMCがQT終了を決定──12月1日から「再投資」で残高維持へ
投稿日: 2025年11月01日
3行まとめ
- 決定:FOMCは2025年12月1日で量的引き締め(QT)=保有資産の縮小を終了。政策金利は**3.75~4.00%**に引き下げ。(federalreserve.gov)
- 運用:12/1以降、満期を迎えた米国債は“全額”を新発債でロールオーバー。MBS等の元本は“全額”をTビル(短期国債)に再投資。毎月、購入予定額と日程を公表(初回は12/11)。(federalreserve.gov)
- 背景のシグナル:短期資金市場で流動性の締まり(SRFの利用増など)が目立ち、過度な逼迫を避けるために縮小停止へ。(Reuters)
かんたんに言うと
- QTは「中央銀行の保有資産を減らす」運用。今回は「これ以上は減らさない」=今の規模を保つと決めた、ということ。(federalreserve.gov)
- 減らさない代わりに、満期で返ってきたお金は再投資して残高を横ばいにする。米国債は新発債に乗り換え、MBSの返済分はTビルを買って埋める。(federalreserve.gov)
イメージ: 蛇口の水(=市場のお金)をQTで少しずつ絞っていたのを、これ以上は絞らないで今の量をキープする感じ。
何がどう変わる?(Before/After)
| 項目 | 〜11月末 | 12/1以降 |
|---|---|---|
| バランスシート | 縮小を継続(自然減) | 横ばい(全額再投資) |
| 米国債の扱い | 月間上限(直近は5Bドル)内で再投資 | 満期分を“全額”ロールオーバー |
| MBS等の扱い | 超過分は国債へ再投資 | 元本“全額”をTビルで再投資 |
| 公表 | 縮小前提の運用 | 毎月、購入予定額と日程を公表(初回12/11) |
用語ミニ辞典(最短で理解)
- QE(量的緩和):中央銀行が国債やMBSを買い増し、市場にお金を増やす政策。債券価格↑→長期金利↓の効果を狙う。
- QT(量的引き締め):再投資を抑える/止めることで保有資産を自然に減らす運用。FRBは2024年6月に縮小ペースを60B→25Bに、2025年4月に25B→5Bへ鈍化させ、今回ついに停止。(federalreserve.gov)
- Tビル:満期1年以内の米国の短期国債。利払いはなく、割引で買って満期に額面で戻る差額が利回り。今回、MBSの返済分の再投資先として使う。(newyorkfed.org)
なぜ止めるの?
- 公式声明は**「12/1に縮小を終了」と事実のみを明記。加えて、市場ではSRF(常設レポ施設)の利用増など流動性の締まり**が確認されており、過度な金利上振れや資金逼迫を避ける狙いが背景にあると報じられている。(federalreserve.gov) ※FRBのSRFは、**短期資金市場の“安全弁”**として機能する常設の供給枠。(federalreserve.gov)
ここまでの流れ(時系列メモ)
- 2024/6:国債の月間償還上限を60B→25Bへ縮小
- 2025/4:同上限を25B→5Bへさらに縮小
- 2025/10/29:12/1でQT終了を発表、**3.75~4.00%**へ利下げ
- 2025/12/11:初回の購入スケジュールを公表予定(NY連銀) (federalreserve.gov)
出典(一次情報)
- FOMC声明(2025/10/29):「12/1に保有証券の縮小を終了」、FF金利3.75~4.00%。(federalreserve.gov)
- Implementation Note(2025/10/29):米国債は“全額ロールオーバー”、**MBS等は“全額Tビルに再投資”**へ移行。(federalreserve.gov)
- NY連銀・運用方針(2025/10/29):毎月第9営業日前後に購入予定額と日程を公表/初回12/11。(newyorkfed.org)
- 政策正常化の履歴(上限60B→25B→5B)。(federalreserve.gov)
- SRF利用増などの市場動向。(Reuters)